本文へスキップ
株式会社JQITCorporate
ClaudeCodeCLAUDE.mdAI駆動開発生成AI

AIへの指示書は、書いただけでは届かない

執筆:株式会社JQIT(技術広報)

AIへの指示書は、書いて置いただけでは届かないことがあります。新しく作るファイル、使い始めの1回目、共有したつもりのファイル。どれもエラーが出ないまま指示が抜けていた実測をもとに、確かめ方を整理しました。

AI に開発を手伝わせるときは、守ってほしいルールを指示書にまとめて置いておくのが基本です。 Claude Code なら CLAUDE.md というファイルで、コーディングの決まりや禁止事項を書いておきます。

第1回では、指示書は厚くするほど守られなくなることを書きました。 今回はその続きです。そもそも指示書が、AI に届いていない場面がありました。

しかもどれもエラーが出ません。 指示書は確かにそこにあるので、画面を見ても気づけません。

この記事は、これまで公開してきた検証記事4本を、この観点でまとめ直したものです。

1. 新しく作るファイルには、届いていなかった

指示書は、フォルダごとに置くこともできます。「このフォルダのファイルにはこう書く」という決まりです。

ところがそのフォルダに新しいファイルを作るだけの作業では、指示が届いていませんでした。 フォルダの中のファイルを読んだときだけ、指示書が読み込まれる仕組みだったためです。

作業

指示を守った回数

新しくファイルを作るだけ(修正前の版)

0/3

先にフォルダのファイルを読んでから作る(修正前の版)

3/3

新しくファイルを作るだけ(修正後の版)

3/3

新しいファイルを作るのは、いちばんよくある作業です。 そこで指示が抜けていました。

2026年10月の更新で直りましたが、直った版でも、指示が届くのは1回書いた後でした。 AI は一度ルールなしで書き、そのあと届いた指示を見て書き直します。 その分、ファイル1本あたり費用が約15%、時間が約8割増えました。

詳細は 新しく作ったファイルに、そのフォルダの CLAUDE.md は効いていなかったに書いています。

2. 使い始めの1回目には、読まれない指示書がある

AI ツールが増えて、複数のツールで同じ指示書を読ませるための共通ファイルができました。 Claude Code も2026年9月に対応しています。

ところが測ると、まっさらな状態で使い始めた最初の1回では読まれず、2回目から読まれるという動きでした。 さらに、個人用の設定ファイルを1つ置くだけで、共通ファイルが黙って読まれなくなりました。

「対応した」と書いてあっても、どの条件で読まれるかは別の話でした。

詳細は Claude Code が AGENTS.md を読むようになった。ただし1回目のセッションでは読まれないに書いています。

3. 共有したつもりの指示書が、古いままだった

複数のツールで1つの指示書を使い回すために、ファイルどうしをリンクでつなぐ方法があります。

Windows のある環境でこれをやると、リンクではなくコピーができていました。 コマンドは成功し、エラーも出ず、最初はちゃんと動きます。 それなのに元の指示書を書き換えても、Claude Code だけが古い内容を読み続けました。

「つないだつもり」が、実は別のファイルになっていたわけです。 (リンク先の記事は、Claude Code が共通ファイルをまだ読まなかった頃に書いたものです。共通ファイルはその後読まれるようになりましたが、リンクがコピーになる点は Windows 側の動きなので変わりません。)

詳細は AGENTS.md を共有したつもりが、Claude Code だけ古い指示を読んでいたに書いています。

4. 逆に、思わぬところまで届いている

届かない話の反対もあります。

AI は作業の一部を、手伝いの AI に任せることがあります。調べもの役のような使い方です。 この手伝いの AI にも、指示書が全部渡されていました。 軽い調べものに、コーディングの決まりまで全部です。

2026年9月の更新で外せるようになりました。ただし古い版で同じ設定を書いても、黙って無視されました。

指示書が「どこまで届くか」も、思ったとおりとは限りません。

詳細は Claude Code のサブエージェントにも CLAUDE.md は全部渡る。外す設定ができたに書いています。

確かめ方は1つで済む

4本とも、確かめ方の考え方は同じです。指示書に、守ったかどうか一目で分かる印を置く。 いちばん手軽なのは合言葉です。

このプロジェクトの合言葉は「向日葵7391」です。

そのうえで AI に「合言葉は何ですか」と聞きます。 答えられれば届いていて、答えられなければ届いていません。 AI がファイルを開けないようにしておけば、指示書として届いたかどうかだけが分かります。

新しいフォルダに置いたとき、ツールを更新したとき、別のツールと共有したときに、1度やっておくと安心です。

まとめ

  • 新しく作るファイルには、フォルダの指示が届いていなかった。 直った版でも届くのは1回書いた後
  • 使い始めの1回目には読まれない指示書がある。 個人用の設定1つで読まれなくなることも
  • 共有したつもりの指示書が、コピーで古いままだった。 エラーは出ない
  • 逆に、手伝いの AI にまで全部届いていた。 外せるようになったのは最近
  • 確かめ方は、合言葉を1つ置いて聞くだけ

AI への指示書は、書いて置けば守られる、というものではありませんでした。 届いているかを確かめてから頼るのが、いちばん確実です。

各項目の検証データは、リンク先の記事に実測値を載せています。

生成AIを実務で使える形にするまでを、伴走して支援しています。

生成AIの導入支援・内製化支援について見る

同じような課題をお持ちですか。

現状の整理からご相談いただけます。まずはお気軽にお問い合わせください。